日本国産畳専門店・ものづくりマイスター「畳屋くまちゃん」熊木畳本店の総合サイトです。 日本国産畳推奨。埼玉県川口市から埼玉県南部と東京都23区を営業エリアとして施工している畳店です。縁付畳、縁なし畳、琉球畳 さらに襖、障子、網戸を承っています。

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畳百科 畳表(たたみおもて)について

畳表の泥染め加工とは

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近年、私が仕事をしている上でのどの痛み等を感じるときがありまして、畳表に関して非常に気になっていることがありました。そのなかで一番が畳表 の原料である「藺草(イグサ)」の泥染めに関してです。そんな時ある熊本の産地の方と知り合うことができまして、いろいろ教えて頂くことができました。そ れを下記にまとめさせて頂きました。 (2001年)
1、染土の効果について

・泥染めというイグサの加工方法は、江戸時代中期から行われていたことがわかっています。
・泥染めすると、熱を良く吸収して、茎の温度が早く上がって乾燥が早くなります。
この乾燥の促進によって酸化酵素が働かなくなり、葉緑素が分解されずに固定するため色彩が良くなり光による変色を防ぎます。
また、粘土の被膜ができているので間接乾燥の状態になって、水分はまず粘土の粒子に吸収されてから蒸散するので、イグサの表皮の細胞が急激に萎縮しないし、乾燥が平均にすすんで変色しません。
反対に泥染めせずに乾燥すると、乾燥が遅れるためイグサが褐色に変色し目方も軽くなります。そのため製織しても製品としての価値がなくなってしまいます。

・ イグサ固有の色は本来の色調と泥の粒子の乱反射による色調との調和によるものです。染土は青灰色系(淡路島)粘土系と淡褐色系(広島県)どろ系の2種に大 きく分けられます。この2種は粒子の大きさが違い、吸水性等他全般の能カは広島県の備後染土が優れていると言われています。

無染土イグサは干草のにおいを呈しているのに対し
2000年に入って、無染土い草畳表が流通していますが、生産農家の努力により新鮮な甘い香りを放つようになりました。
泥染めをしたイグサは、貯蔵中に何らかの化学作用によって畳表独特の香りを持つようになります。

・沖縄の畳表は無染土で製織されていたが、これは草が太いために本来目詰まり感がなく草が並んだような織り方で通用していましたが、ふつうのイグサは非常に細く、目詰まり感がある畳表が高級品という需要に応えるためにも染土は製織をきれいに行うためにも非常に重要でした。
ここで言いました沖縄の畳表は七島イグサではなく沖縄の地草で初期の中国表の様に草の太いもので畳の目の幅が大きいものと比較して言ったもの(通称、「びーぐ表」といいます)でしたが、七島イグサでも同じ事が言えるかもしれません。

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2、染土の種類

・泥染めは江戸時代中期からはじめられたと言われ、その後各産地においては地元に産出する土を染土として使用していたようですが、最近各産地で使用されている染土は以下のとおりです。

岡山県----- 兵庫県淡路島から産出される淡青灰色の淡路染土。
広島県----- 広島県西南部の花崗岩や古生層地帯の残積土から産出される淡黄褐色の広島染
土。
福岡県----- 以前は白ないし淡黄褐色の九州染土でしたが、現在は淡路染土。
熊本県----- 50年代ころから淡路染土が統一されて使用されていましたが、平成から近年にかけては高品質のい草生産農家では備後染土が使われています。 これは備後染土が能力が優れ高級畳表に向くからです。

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3、近年の畳表の価値観の変化
・近年、畳表は色が良い方が良いという偏った情報により、泥染めの時点で何種類かの着色・添加剤が加えられて加工されています。産地問屋によってはさらに水性ペンキと水性ボンドによって二重に着色されています。(これは草質の悪い部分を隠し良い草との見分けがつきにくくなりますが) しかし、この加工によって吸放湿性や二酸化窒素の浄化作用、気持ちをリラックスさせる鎮静効果を多く失わされてるようです。(畳表が臭いと思われる方はこのような畳表の臭いをかいでいると思います)
高級畳表を生産する一部の農家が泥染めの時点で染土だけでやっています。

・しかし、泥 染めしたイグサでも新草早々の表は早く変色し、高級表については半年から一年寝かせたものが畳を敷きこんでからの変退色は緩やかのようです。また、寝かせ たものが染土の効果により堅くなりコシがでて品質がアップします。これは吸水・放湿性に優れている備後染土使用の畳表に限られると思います。
当店で10年ほど無染土の畳表も使用しておりますが、染土付きの畳表とは違う方法で長期熟成することにより、色、香りが損なうことなく、さらにイグサ自体がかたくしっかりしたものになります。

・新潟県の中越のある地域では高級畳表が非常に好まれていますが、高級畳表は半年から一年寝かせたものの評価が高く、青いうちは畳やさんが購入しないという話もあります。ほかにもこのような地域があるかもしれませんが、ぜひこのような地域を広めて欲しいものです。

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*以上のように染土の役割で「なま物」で ある畳表が腐らず長持ちする訳がわかりました。また“青畳”という言葉にながされてしまい畳の価値観が変化し、染土の役割が変化してしまったことも 改め て考え直す事が必要かもしれません。 今回の話はあくまで日本国産品に限っての話ですので、中国産などの輸入品に関しては全くわかりません。

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