畳になってしまうと、畳表の端の方は縁を付けたりして切り落としてしまうので判りませんが、畳表は通常「織機(しょっき)」にて織り上げているもので、左右対称にイグサを差し込んで織り上げています。
そのため畳表の端は、イグサの根っこの白っぽい部分と穂先の緑の部分が端に交互に出ておりまして(左写真)、反対側も同じようになっております。
これが、畳縁の付く側になり、端は穂先と根っこの混じった草の並びになり、中央に行くにしたがってイグサの緑色の部分が重なり合うので緑が濃く見えます。
中央から畳縁の付く端にかけてグラデーションのようになります。
一般的な畳は真ん中から端の方まで綺麗で均等な青色と言う事はまずありません。畳の端の方が白いのは、天然イグサを使用している事の証拠でもあります。
ですから、良い(高級)畳表は、長い「イグサ」を集めて揃え集め、真ん中の青い部分をたくさん使って、中央と端の差が少なくなるように作くる努力をされています。
い草田圃(たんぼ)では長いイグサから短いイグサまで全て収穫します。
一軒の農家で5~8段階にイグサが選別されます。
熊本県ではイグサの品種改良や個々のイグサ農家の努力によって無着色畳表の生産に力を入れています。
20年以上前から、このような白い色を隠すために人体に悪影響を及ぼす染料や顔料で着色する(発癌性があるといわれています)ことが行われたり、樹脂加工を施して着色が剥がれないようにすることで、イグサの機能が損なわれることが近年、問題視されています。
日 本国内で流通している畳表のほとんどが格安の着色加工された中国製畳表であり、純日本製イグサ畳表の8割以上を生産している熊本県八代地方でもこの数年間 で日本全国の畳すべてに畳表を供給できないほどに減少しております。(イグサの原草を海外から輸入し、国内で織られた日本製畳表も流通しています)
環境問題が叫ばれている昨今、日本国内の農地を減らさないためにも今後も変わらず、輸入畳表を使わずに「畳屋くまちゃん」熊木畳本店では国内産畳表を使い続けます。